公益的な社会的環境整備事業

公益的な
社会的環境整備事業

SDGsの浸透や子どもの貧困問題、フードロス問題などの顕在化により、行政・企業・NPOが連携して社会問題を解決していくことの重要性が高まってきました。この高まりから、全国食支援活動協力会では、休眠預金といった公共性の高い資金や、日本財団などの民間財団からの助成金をうけて、日本全国を対象とした食を通じた居場所の継続・発展に寄与する事業を展開しています。

休眠預金事業とは

2019年から資金分配団体として休眠事業を行っています

2009年1月1日以降の取引から10年以上、その後の取引のない預金等(休眠預金等)を社会課題の解決や民間公益活動の促進のために活用する制度が2019年度から始まりました。この制度は資金の特性上、公益性が高いことから「指定活用団体」「資金分配団体」「実行団体」と3つの役割にわけられて運用されています。(下図参照)

全国食支援活動協力会は資金分配団体として、指定管理団体である一般財団法人日本民間公益活動連携機構と連携をしながら、民間公益活動を行う複数の実行団体に対して助成と伴走支援を提供しています。

抜粋:https://www.janpia.or.jp/kyumin/

食を通した地域の支え合いができる社会の実現のために複数の事業を実施しています

こうした公共性の高い資金を活用して、日本の社会問題である子どもの貧困を軽減し、子どもや家庭の社会的孤立を防ぐための、全国の子どもに関わる居場所の拡大と運営安定化を支える仕組みづくりの事業を進めています。

2020年4月~

こども食堂サポート機能設置事業

休眠預金を活用した最初の事業として、全国各地の市民活動から始まった「こども食堂」の開設・運営を支援するこども食堂サポートセンターの設置を4か所で行いました。サポートセンターは、各こども食堂運営者の開設相談にのったり、運営強化や衛生管理のための研修の提供、こども食堂同士のネットワークの構築、各種情報提供や運営資金の助成などをおこなっています。

事業期間:2020年4月~2023年3月
助成総額:約9,480万
 

<課題>

  • 子どもの貧困(体験や経験、つながりの貧困を含む)
  • 子どもや家庭の社会的孤立
  • こども食堂等の運営基盤のぜい弱さ

 

<解決策>

  • 子どもが安心して通える地域の居場所を支え、社会的孤立を軽減する。
  • 子どもと関連する多様な資源を居場所とつなげ、地域で子どもを見守り,育てていく環境を整備する。
 
 

 

<事業を通じた目標>

  • こども食堂サポートセンターが所在する地域にてこども食堂等居場所への支援を展開することで、活動団体の運営を支え、当該地域における子どもの健やかな成長等に貢献することを目指す。
  • 子どもが安心して通える地域の居場所を充足させ、社会的孤立を軽減する。子どもを含む多様な世代の食生活をめぐる問題の軽減、改善を目指す。
  • 子どもだけではなく、居場所を通じてその家族や地域住民にも働きかけ、地域で子どもを見守り、育てていく環境を整備する。
 

<実行団体>

  • ふくしまこども食堂ネットワーク(事務局 特定非営利活動法人 寺子屋方丈舎)
  • こどもの居場所サポートおおさか(事務局 (一社)こどもの居場所サポートおおさか)
  • 子ども食堂ネットワーク北九州(事務局 (一社)コミュニティシンクタンク北九州)
  • こども食堂サポートセンター那覇(事務局(社福)那覇市社会福祉協議会)

 

2020年8月~

子どもの居場所づくり応援事業

こども食堂を継続して実施していくには食材の寄付が欠かせませんが、企業等からの寄付を受付ける際に、冷凍・冷蔵・常温の施設がなかったり、運搬するための方法がないためにマッチングできない事例が多くあります。そうした環境整備をすることで、子どもの成長に欠かせない肉や魚などのタンパク源を含めた生鮮食品を各地のこども食堂に届けられるようにする事業です。

事業期間:2020年8月~2022年3月
助成総額:約4,280万円
 

<課題>

  • こどもの貧困(体験や経験の貧困を含む)
  • 子どもや家庭の社会的孤立
  • こども食堂等の運営基盤の脆弱さ(経営や関係機関との連携を含む) 

➡特にコロナ禍において上記の課題が深刻化している一方、支援を希望する企業等の存在はあるがこれらの善意が生かされない
 

<解決策>

共同冷蔵(冷凍)庫等の設置・活用、運搬車両の購入・手配、食品庫(保管庫)の整備など、企業等からの寄付食品や物品を複数団体が地域でストックし、分配を行う。
 

<事業を通じた目標>

子どもの成長に欠かせない肉や魚などのタンパク源を含めた生鮮食品など、実施地域で活動する多くのこども食堂が多様な食品を得られるようになること。他団体や関係機関と資源を共有しながら活動を安定して続けられるよう、「食」「居場所」の確保に向けた連携の素地を形成する。

 

<実行団体>

2021年4月~

持続可能な地域活動援助モデル構築事業

新型コロナウィルス感染拡大による影響により、貧困家庭への食支援の重要性が高まってきました。こうしたニーズの高まりにより、母子生活支援施設等の社会的養護の施設への冷凍・冷蔵・常温の食品の提供をできるように整備する事業を行っています。これまではこども食堂を通じた地域の市民活動の共助の支援でしたが、それに加えて福祉の公助の領域にも支援の輪を拡大させることで、地域の貧困家庭を包括的に食支援をできるようになることを狙いとしています。

事業期間:2021年4月~2022年3月
助成総額:約2,446万円
 

<課題>

こども食堂等居場所では弁当配布やフードパントリーに形態を変化させることで、これまで以上に生活困窮に迫られる世帯と繋がっているが、ソーシャルワーク機能を持ち合わせていないために、必要な支援機関につなげることが難しい。
今回のコロナ感染拡大によって生まれた新たな社会課題の解決策や今後のコミュニティの在り方に関する検討は一活動団体だけで答えを見いだせるものではなく、自治体等公的機関や非営利組織、企業などの経済団体と共に互いの強みを生かしながら形成されていくことが重要である。支援の最前線に立つ団体を決して孤立させないために、多様なネットワークによって支援網を厚くしていくことが急務である。
 

<解決策>

母子生活支援施設等福祉施設に食支援機能を付与し、以下の活動を行う

  • 三温度帯の食品を保存するための保管スペースを確保
  • 利用時間の制約等を解消し、こども食堂等活動団体の受け渡しを担う
  • 退所世帯への食糧支援を行う

また、子どもから高齢者まで食を通じて参加できる居場所づくりを推進する団体が集まり、地域の子ども達の安心できるコミュニティづくりに向けゆるやかな情報交換機会を設ける
 

<事業を通じた目標>

①母子生活支援施設等福祉施設に食支援機能が付与され、退所した世帯やこども食堂やこどもの居場所づくり団体等地域に開かれた拠点として在宅支援機能を充実できる。
②母子生活支援施設等福祉施設が持つ専門的機能が地域の子どもの居場所づくり団体にフィードバックできる。

 

<実行団体>

2021年4月~

食の物流ネットワーク整備プロジェクト

これまでの取り組みにより、全国を対象とする企業や機関からの大量の食品の寄付の相談がよせられるようになりました。既に各地では域内の食材寄付や賞味期限直前の食品の寄付などが循環できる仕組みが構築されていましたが、域外からの大量の食材の分配は想定されておらず、せっかくの食品寄付の打診をうけても受けることができないことがおきていました。そこで、こうした域外・域内の寄付食品を効率的かつ適切にストック・シェアするためのロジ拠点を全国5箇所でつくる事業です。

事業期間:2021年4月~2024年3月
助成総額:約8,250万円
 

<課題>

  • こども食堂に寄付される食品に多様性が乏しく、子どもの食の乱れの改善に結びついていない現状
  • こども食堂実施団体の運営基盤が脆弱にもかかわらず自己資金で食品を購入し、活動を続けている現状
  • 国や企業の余剰食糧の有効活用を受けとめる物流ネットワークがないことで、食べられる食品が廃棄されている現状

<解決策>

寄付食品を適切にストック・シェアできるロジ拠点・ハブ拠点整備を整備し、広域に寄付食品を分配し、配送することができる
(支援地域において)資源を循環させるためのロジ拠点(共同事業体あるいはコンソーシアム)が作られ、有効に機能する
支援地域に企業・行政から様々な人・モノ・カネを集める
 

<事業を通じた目標>

(企業・NPO・行政の連携によって)社会(地域)が子ども達を地域で支えるための資源が循環する
ロジックモデル(PDF)
 

<実行団体>

一般財団法人北海道国際交流センター
特定非営利活動法人NPOホットライン信州
鳥取市地域食堂ネットワーク
特定非営利活動法人フードバンク山口
特定非営利活動法人チャイルドケアセンター
採択団体・事業概要(PDF)
公募の流れ(PDF)

社会的インパクト評価の実施をしています

休眠預金は公共性の高い資金のため、その活用にあたっては、社会課題の解決にどのようにつながっているのかの成果を目に見えるかたちで示すことが必要となっています。そのため、成果の達成度合いを重視した社会的インパクト評価を全ての事業で行っています。

この評価の目的は、➀資金提供者である国民の理解を得ること、➁成果の拡大につながる事業改善にむすびつけること、➂さらなる民間の資金や人材獲得をすることで助成終了後の持続可能性を高めること、の3点に集約されます。

社会的インパクト評価では事業のインプット(資源投入)ーアクティビティ(事業)ーアウトプット(事業の結果)ーアウトカム(受益者の変化)を論理的に図示したロジックモデルを作成し、そこから各種指標の作成やタスク管理につなげていきます。各事業の詳細情報では、このロジックモデルを公開しておりますので、関心のある方はご参照ください。