| 南豪食事サービス研修旅行記3 |
話は前後するが、大会初日の午前中は、南オーストラリア州MOW協会の本部事務所と、アデレード近郊のMOW支部2ヶ所を見学させてもらった。
朝の8時にチャーターしたバスがホテルの前につき、コーディネーターのグラハムさんが同乗してくれた。本部事務所は、ホテルのあるアデレード市の中心部からバスで十分ほど。1階に受付と広い事務所、2階はいくつかの会議室のようになっていた。そのうちの1室に通され、グラントさん達から歓迎の言葉を受け、ちょっとした歓迎セレモニーのようだった。
南オーストラリア州MOW協会本部の組織図を紹介する。
本部と支部の関係であるが、支部は基本的にボランティアで運営されており、食事を作ること、届けることを行う場である。それに付随する様々な手続きは、有給スタッフを抱える本部が行うという区分となっているようである。例えば、利用者のアセスメントは本部の責任担当者が行い、支部のコーディネーターに引き継ぐ。一食あたり1ド25セントとなる政府補助金の請求清算事務所なども本部に集中させることで、各支部は活動に専念することができる。また、行政との契約や金融機関からの借り入れの名義、動産や不動産の管理なども本部の仕事となっている。
そして、何より、本部がMOWという住民活動の事務局を果たしている側面が大きい。行政との交渉、社会的なアピール、企業への援助の交渉、他州のMOW協会とのネットワークや、他の分野のボランティア活動や福祉活動などとの連携など、本部機能がなければ大きな力とはなり得ないものばかりである。
既に述べたように、MOW協会はその州ごとに独自の特色があるようで、クイーンズランド州MOW協会としての組織図、及びクイーンズランド州内のある支部の運営組織図が手に入ったので、合わせて紹介する。
← クイーンズランド州MOW協会 組織図
クイーンズランド州MOW協会 運営図
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さて、バスは本部事務所を離れ、いよいよキッチンの見学へと向かう。今回訪れたのは2ヶ所で、それぞれ支部として活動している。見学の最中、通訳を行ってくれた房江さんの後について必死で取ったメモから、この二つのキッチンの基本的なデータをここに記す。
- アデレード市内より約14キロ。
- 設置 1990年
- 代表(CHAIRMAN)ピーター・コリヤー氏(MR.PETER CO LIYER)
- キッチン 約300u
- 月〜金、週5日、昼食配食。
- 1日約300食。ボランティア13〜14人で調理。
- 調理開始時間 朝5時半。
- メニュー 8週間サイクル。
- 通常食の他、冷蔵(チルド)冷凍(フローズン)を利用。
- 料金 一週(5食)17ドル(1食あたり 3.4ドル)
週1食の場合、 4ドル。週2食の場合、 7ドル。
週3食の場合、11ドル。週4食の場合、14ドル。
(この料金体系は南オーストラリア州M・O・W・共通)- 利用の方法
医師より紹介、依頼→アセスメント→利用- アセスメントは本部スタッフ(WELFARE OFFICER 6名)が行う。医師の証明書が必要。
- 利用の条件 1人ぐらし、高齢者世帯(介護者が同居していないこと)希望者が増えてきているため、最近このようになった。(以前はそれほど厳しくなかった)
- 1日約185食。調理ボランティア8〜10人。
- 月〜金、週5日、昼食配食。
- 配食コース、7コース。
- メニュー 12週間サイクル。きざみ食対応している。
- ボランティアの平均年齢 65歳。
- 事務所の壁にボランティアの名前と星のマークが掲示されている。
15年で星ひとつ。以降5年ごとに星ひとつ増える。
ワラデイル・キッチンは、アデレード郊外の住宅地にあった。僕らが訪れた十時頃は、調理は大体かたがついており、盛りつけと洗い物に分かれて15名ほどのボランティアが立ち働いていた。やはり年輩の方が多く、半数は男性ボランティアである。男性もエプロンをつけ、全く違和感なく厨房作業をしている姿にちょっとびっくりした。広さは日本の病院や特養ホームの厨房と同じくらいだが、実にゆったりとした厨房設備の配置となっている。設備はスチーマーやコンベクションオープンなど、最近の日本の集団給食設備でも見られるようなものが多かったが、裸火のガスコンロや回転釜のようなものはない。少なくとも、鍋をもって煮たり炒めたりというような、日本のボランティアによる食事サービスの調理風景とは違っていた。高齢者中心のボランティアが、大人数で実にゆったりと作業を楽しんでいるといった感じである。そのための厨房設計なのであろう。
冷蔵倉庫や冷凍倉庫もかなり大きく、食材のほか、既に調理済みの食品も保存されていた。その日の食事はすべて当日つくるのではなく、食材などの関係で1週間程度前から調理できるときにつくっておき、冷蔵や冷凍で保管し、当日再度加熱して使っているようだ。日本でも外食産業では既に当たり前に行われていることかもしれないが、日本の食事サービスはその日のボランティアがその日の調理をすべて取り仕切るスタイルが通常なので、これもびっくりさせられたことの1つだった。
南豪食事サービス研修旅行記Bおわり